ビッグアップル(ニューヨーク)

ビッグアップルとはニューヨークのニックネームである。ここでいうニュ  ーヨークとは主にマンハッタン島のミッドタウンとだうんたうん(南)のこ  とで隣接地区のブロンクス・リッチモンド、ブルックリンとは全く性格の異  るいわゆるニューヨークの中心部である。次ページの写真は、旅行の帰りの  ラガーティア空港に向かう機上から写したマンハッタンである。上方のブル  ックリン地区は白人のブルーカラーイタリア系,プエリトルコ系の住む下町  だが訪れるとアメリカの何処の町にもない情緒があり一度は住んでみたい町  だった。ニューヨークはなんといっても世界の大都市、何でも一流のものが  集まっている。私にとっては興味のつきない街だった。時間があればアムト  ラックに乗ったり,友人たちの車で出かけて行った。アメリカ人はよくニュ  ーヨークはアメリカでなくニューヨークだという意味のことを言う。そして  ニューヨークを好きか嫌いかと聞くとNoと答える人が多い。またニューヨ  ーカーという言葉にしろそこの住民以外あまり良い意味で使われる場合も少  ないと思う。しかし何か新しい物や最高の物を求める人たちにとってニュー  ヨークはエキサイティングが異う。アメリカのどの都市ともちがい、また街  に住んでいるニューヨーカーが他の土地のアメリカ人と全く異るともいえる。  しかし大きくなりすぎだビッグ・アップルには問題も多い。ちょうど私がバ  ーモント州に滞在中の7月13日(1977),9千万人の人々がブラック  ・アウトされたニューヨークの大停電があった。原因は、短時間のうちに発  生した雷が4つの発電所をおそい落雷後丸一日停電がつづいたそうである。  街は大混乱で多くの略奪者が発生した。またニューヨーク市の財政危機(1  975年)、巨額の負債をかかえ利子の返済、市職員の上げすぎた高給,過  ぎた公共サービスの経費を払い切れなかった。そしていまやニューヨーク名  物になっているひったくり(マッギング)人通りの多いところなら昼間は大  丈夫だが夜中12時を過ぎるとニューヨーク中どこでもあぶない場所になる  ようだ。ディビット・バレナーという人気コメディアンがテレビでニューヨ  ークについてのジョークをいっていた。「きのうニューヨークに行ったって?  どうだつた?」「別にいつもと変わりはないさ。地下鉄では男がさされて殺  されていたし43丁目の角ではオールドアツプの最中だった……」犯罪の発  生率の高いことはアメリカ国内でも有名だった。また失業と貧困。はなやか  なマンハッタンだがその一方、ダウンタウンのバクリー通りには、これも有  名な交差点にとまっている車の窓をふいてお金をせびるアル中がたくさんい  る。またサウスブロンクス地区の荒廃、スラム化、この地区は放火魔,少年  ギャング(銃をもっている),麻薬患者などを多勢かかえており、カーター  大統領がこの地区の視察を行ったニュースをテレビで見たこともあった。以  上のようにあげれば切りがないほど問題点の多い大都市だが住めば都の例え  通りニューヨーカーはさわぎたてはするもののあまり気にかけず気楽にやっ  ているようにも見える。しかしよそ者は、スラム化した街は要注意で馴れて  来た頃が一番あぶないそうだ。私もハーレムには車で2~3度通り抜けただ  け。サウスブロンクスは、一度行ったきりである。ニューヨークでの楽しみ  といえば、多種類のレストラン,ショッピング,有名な美術館,スポーツス  タジアムなどもあるが何といってもニューヨークならではのものはブロード  ウェイの劇場街の豪華さだろう。42丁目から52丁目あたりまでの通りに  集まっている。見たい芝居をニューヨーカー誌やタイムズ紙の日曜版からさ  がして見る。また金曜日発行のレジャー別刷版のタイムズもある。また翌朝  の新聞を買いたければ夜にタイムズの本社に行けば買うことができる。(5  0セン)。新聞の話が出たついでだが、この地方で人気のある新聞はにニュ  ーヨーク・タイムズそれにニューヨークポストとディリーニュースの3紙の  ようだ。とくにニューヨークタイムズの日曜版は読むところが多くとてもお  もしろい。アメリカ人も日曜の午前中は教会に行かずタイムズを読んで終わ  ってしまう人多いのではないだろうか。私の滞在していた頃のブロードウェ  イの話題はピューリッツァー賞を受けた「ガ・シャドウ・ボックス」とか「  ヘアー」の再演、若者向けの異色ミュージカル(歌ばかりだが)「ビートル  マニア」などがあった。また最近映画にもなった「グリース」はロングラン  のミュージカルで50’sの若者の物語。また、古い時代のものが見たいと  きはオフか又はオフ・オフ・ブロードウェイまで行けばいつも見られるし、  実験劇場のようなものもあるらしい。ともかく私にとってニューヨークは、  ソーホー,ビレッジ落書きだらけの地下鉄、ダウンタウンの古本屋などなど  書き出せばきりのないほど興味の深かった場所であり、世界の中心として活  動する街をいろいろと見て廻れたのは大変有意義でもあった。

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